845ppp(パラレル・プッシュ)のその後。
詳細についてはあまりに情けなく公表できるものではありませんが、実は2〜3ヶ月前、誠に恥ずかしいミスが見つかりました。845ppp(パラレル・プッシュ)の初期ミスについてを参照願います。
当初より同回路の6550pppと比較すると、もうひとつ物足りない点があり、初段から出力管までの管種の違い、或いは出力の大小に拠るものかとも思いましたが、どうもそうとは言い切れないものを感じていました。
更に言えば、他のページでも主張している「出力管の違いなど、ソフトの音質差から見れば微々たるもの」とは言えなくなります。
使い慣れた球ばかりなので、長い間配線図というものを書いたことがなく、これが諸悪の根源でした。
もう一度完成品から配線図を書いてみました。
もうミスは無かろうと思いますが、一抹の不安もあり、もう暫らく逆さの状態が続きそうです。
何しろ巨大で重く、一人ではとても裏返すこともできず、レイ・オーディオに持って行ったときのように、複数のシャーシーで製作すべきだったかも知れません。
それにしても、相も変わらずオーディオ雑誌等で盛んに取り上げられている、特に「ケーブル」に関する記事には苦笑を禁じえない。何しろ一本うん十万円するものもある。
厚化粧のアンプであれこれコードを選んでも、それは単なるそのアンプに限って、という事であって、そのアンプを一生使い続けるならともかく、素顔を隠したアンプはいずれ正体はばれる。
とにもかくにも音楽そのものを聴きたいなら、せめて薄化粧のアンプを手に入れることが何より一番の近道だと思いますが、「好み」などという言葉でかたづけてしまうオーディオファンの方が多いのには呆れてしまう。
NFB(化粧)はSPにもよるが、経験上最大で6dbもあれば十分な筈。
残念ながら現在市場に在るアンプの90%以上はこの点をクリアーしていない。
癖のあるアンプはいつか飽きる。コードで弱点を補っても結局自然なバランスには為り得ない。
NFBが20dbも掛かったアンプは、ソフトの素顔は勿論、結果的にリミッターのような働きをするから、演奏の抑揚感が抑えられる。抑揚感こそ奏者のそして音楽のノリだと思う。
ハムやノイズを含めて徹底的に追い込んだ無帰還アンプに、少しずつNFBを掛けていくと、音の生気が失われていのがよく解る。
ソフトの音質そのままに鳴れば、良い音質のものはすばらしく聴こえるし、悪いものはそのように鳴る。
化粧品のCMの女優の肌が本物だとはどなたも信じておられないと思うが?
一見きれいに見える、一聴きれいな音だと勘違いするデジタルの音と同じだ。
厚化粧(NFB)をしてしまえば、恥ずかしさでぽっと頬が赤くなることなど分からない。実はそこで初めて彼女の性格の一端を知ることとなるのだが。
私が音楽から聴きたいのは、奏者の音として出る感情の起伏だ。
勿論それには磨きぬかれたテクニックが必要であり、その細部が聴き取れるアンプを作りたいと思う。
他のページにも何度も書いていますが、コードはPCOCCの撚り線。理論的に考えても、複雑な音楽信号の伝送にこれほど適格なコードが現時点で他にあるとは思えない。単線などはもってのほか。
単線の方がすっきりと鳴る場合、ほとんどアンプが良くない。
勿論人それぞれ好みはあるから、例えば、CDプレーヤーからプリアンプの接続に、少し甘い音が好きな人はそのようなコードを選べば良いが、ただ帯域が狭くなる様なコードは結局バランスは崩れる。
個性的な機器やコードをあれこれ使っても、結局最後はバランスだと。
Vnはこれ、Voはこの組み合わせ、などどいうことは考えられない。
例えば、あの驚異的な「バルトリ」の歌唱のすごさを聴くには何々向き、などというアンプでは無理だ。
ピアノがなぜ楽器の王様と呼ばれるのか?コントラバスからピッコロまで、ほとんど全ての楽器の帯域をカバーしていることに他ならない。
SPの問題もあるけれど、何かの楽器、或いはVo向き、などというアンプは、意識的に回路設計した場合は別として、誤解を恐れずに言えば未完成のアンプではないかと個人的は思っている。
これまでの経験からすると簡単に「この真空管の音」と言うのもどうも気が引けるし、ソフトのばらつきを抜きにして、自分好みの音などというものがはたして存在するか否かも、やはり個人的には疑問だ。
ただ少なくとも、ソフトの音を捻じ曲げて聴こうとは思わない。
聴き易い音というのは、ソフトフォーカスの掛かった女性の肌なのか?
この様に考えると、845pppの音は一体どの程度のものか、実は私自身全く解らない・・・・・・・・。
2008/10/1